襄公は連称(れんしょう)を守護隊長に任命していた。そして、その従妹が後宮にいたが、襄公から無視されて一度たりとも寵愛を受けたことがなく、連称は従妹からも不満を聞かされていた。この不満の連称の従妹をスパイとして情報を探らせ、好機が到来するのを待っていた。
12月に襄公は狩りに出かけた。襄公はかなりの錯乱状態にあった。
勢子に追われて、一頭の大猪が飛び出してきた。
「彭生さまだ」と叫ぶ者がいた。
彭生は、少し色も黒く、肥満体で猪に似てないでもなかった。さらに襄公は錯乱状態にあった。襄公は彭生を殺したことが多少気になっていた。
「彭生は死んだはずだ!」と叫び、弓を引き絞って、猪に向かって、矢を放った。矢は眉間に突き刺さった。と同時に猪が立ち上がったように見えた。襄公は、悲鳴を上げて車から転げ落ちた。そのはずみで靴を失くした。
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