2014年8月22日金曜日

「十八史略(15)―鮑叔牙と管仲④」

 襄公は魯の家臣に急病で死んだと伝えた。ところが、魯の家臣が主君のあばら骨が折れているのを発見した。

魯から、「わが主君の死因は折れるはずのないあばら骨の骨折でした。迎えに来られた彭生殿は天下無双の力持ち。その力があれば、あばら骨の2、3本折るのは、何の造作もないでしょう。なにとぞ、彭生殿を処分し、われらの無念を晴らしていただきたい」

襄公は彭生を見殺しにした。

 さて、桓公のあばら骨が折れていることを魯の家臣に知らせたのは、誰か。外観だけでは、死人のあばら骨が折れたのは分らない。

 鮑叔牙は管仲に訊ねた。

「知らせたのは、君か」

管仲は、面映げに顔を上げた。

「やっぱりそうか」

鮑叔牙は難しそうな顔をした。

 

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