2014年5月2日金曜日

どうせ死ぬならがんがいい(7)

  前日からの続きです。中村仁一氏、近藤誠氏の言いたい放題なので、眉をつばしながら読んでいます。同業のひとが反論しないのかと見ていますが、まだないようです。二人の意見は、まずまず合っているのでしょう。以下続けます。

 「最近なんだか顔色が悪い、めしを食わない、やせてきた、おかしい」。しかし、本人たちは痛みを感じていない。がんが痛むのならもっと早い時期に見つかってしかるべきでしょう。病院に行くきっかけは「痛み」ではなく、血を吐いたり、痰に血が混じっていたり、レンガ色の小便が出たり、ということがきっかけになります。そのままなにもしないでがんを放っておくと、最後まで痛まず、消えるように逝かれるというわけです。

 がんの進行そのものも、世の中の人が思っているほど速くないと言います。悪性で進行が速いと言われるスキルス胃がんでさえも、診断がついてから数ヶ月で亡くなった人は皆無といいます。テレビの司会者の逸見政孝さんは、最初の手術から10ヶ月で亡くなられましたが、近藤氏の知る限り逸見さんと同じタイプで1年以内に亡くなったひとは皆無で、3年以上生きた人が何人もいると言います。このあたりは、曖昧でなく具体的な数字がほしいところです。

 中村氏は、老人ホームに移ってからは、痛み止めの麻薬を使ったことがない。見つかった段階が手遅れで、痛んでいないがんは最期まで痛まないとはっきり言えると言っています。

「死」とは、心地いいまどろみの中での、この世からあの世への移行なんですとも言っています。近藤氏は、がんの9割は「末期発見・治療断念」「放置」が最も望ましいと言っています。

がんの症状がなくて健康なら、がんを発見するための検査は、年齢を問わず避けた方がいい。検診によるがんの早期発見は、患者にとって全く意味がない。それどころか、必要のない手術で臓器を傷つけたり取ってしまうことで身体に負担を与えますから命を縮めます。

70歳前後の有名人が何人も、よせばいいのに人間ドックを受けたためにがんが見つかり、目いっぱいの血みどろの闘いを挑んだ末に、玉砕して果てています。

0 件のコメント: