2013年10月3日木曜日

韓国・中国に見る不都合な歴史の書き換え

  今の韓国の狂騒のような反日は、「歴史の中に未来がある」と思い込んでいる結果、自分たちにとってまずかった歴史自体を変えたいとの意欲から起きてくる。

 この根は金泳三大統領の「歴史の立て直し」運動にあるといいます。ソウルの朝鮮総督府の建物を破壊し、竹島を政治宣伝に利用し始め、果ては日本人が植民地時代に地中に杭を打ち込み韓国人の元気の素の風水の地脈を断っていったとし、全国杭抜き運動まで始めたという嘘のような本当の話があります。

 盧武鉉大統領時代の2005年には、「真実・和解のための過去事整理基本法」という史上例をみない過去遡及法を成立させました。さらには植民地時代の親日派の子孫を弾圧すべく、彼らの財産を没収する特別法までもが施行されました。

 最近になり、1965年の国交正常化時の日韓請求権協定ですでに解決済みの問題が蒸し返され、植民地時代の徴用工への賠償を日本企業へ命じる判決が出されたり、盗まれた対馬の仏像の返還を拒んだり、「旭日旗バッシング」が起きたり、朴槿恵大統領が「加害者と被害者の歴史は千年変わらない」と言ったりするのも、「歴史の中に未来がある」と思い込んでいる結果、自分たちにとってまずかった歴史を変更したいという逆向きの未来を志向していることから起こるチグハグなのです。

 日本人なら誰でも勝手に歴史認識を変えてしまってはいけないと思います。「歴史の中に未来があるのだから過去をたどればよい」という間違った思想は、世界中の左翼には実はおなじみのものだそうです。マルクスの「今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」という歴史観は、現代の階級闘争を過去にまでさかのぼらせ、近代化は日本が朝鮮に移植したのです。

 韓国人はそれを認めるのが嫌で日本時代を否定したい、歴史を変えたいという衝動が先に立ちます。

 韓国では、李氏朝鮮時代は素晴らしい時代で、後期には資本主義の芽生えがあった、それを摘んでいったのが日本だというわけです。「資本主義萌芽論」はおなじみで、検定の世界史教科書に常識のように現れます。

 法を変えて過去を断罪しようとすれば、法治国家の資格を失います。近代法も日本が韓国に与えたものです。それが証拠に、韓国の法律用語のほとんどが日本由来のものです。せっかくもらった近代法の定着と運用で、韓国はうまくいかなかったというわけです。

 韓国、北朝鮮、中国の3カ国はいわば超(ウルトラ)実念論の国々です。これは「思っているモノは実在だ」という思想によって生じています。中国共産党の「核心的利益」がそれで、チベットもウイグルも南シナ海も東シナ海も尖閣諸島も沖縄も何百年も前から中国の「領土」だった。だから中国人のものだというわけです。日本人には不思議に思える思想です。

 韓国も風水を信じ、日本人が杭を打ち込んで断脈したに違いないと思うと全国杭抜き運動が始まり、出てきたという杭が並べられ、やっぱり日本人は悪辣だと結論づけます。

 近代民法典を移植し、朝鮮の民衆を安堵せしめた日本が、李朝の人さらいのように暴力で徴用したり慰安婦狩りをしたりできるはずがありません。「思っているモノは実在だ」という思想が、彼らの近代的思考を常に阻害しています。

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