2013年10月18日金曜日

 自然増収を隠したい財務省の思惑

 消費税増税による景気失速懸念から、景気対策を実施するというおかしな流れになって来ています。景気失速対策の規模は5兆円程度といわれています。

 財政再建のために増税し、それでは景気が危ないからといって、補正予算を組むだけでも、愚か者といわれそうです。その補正予算に財源が足りないというので国債を発行したら、それこそ大馬鹿者といわれます。それをなんとか回避したいために、財務省は補正予算では国債発行しないようです。

 補正予算の財源には何があるのでしょうか。2012年度の一般会計剰余金12952億円があります。このほかに、復興分として11252億円の剰余金もあります。

 12年度の特別会計剰余金も355211億円もあります。

 13年度一般会計予算では、国債費222415億円を計上していますが、その内訳は債務償還費123388億円、利払費等99027億円です。債務償還費は国際整理基金特別会計への定率繰り入りで必要といいますが、それは世界でもまれな制度だと高橋洋一氏はいいます。世界標準に合わせて定率繰り入れを止めれば、これらは、巨大な財源となります。

 これまでも何回も定率繰り入れは、日本でも停止したことがありますが、それで問題になったことはないといいます。利払費では、予算積算金利が1.8%と市場金利より高めになっているので23兆円ぐらいの財源捻出は容易で、このほかにも、景気回復による自然増収もあります。

 4兆円以上の税増収が期待できそうです。以上でわかるように、財源はたっぷりとあります。しかし、財務省は、一般会計剰余金が1.3兆円と、少なめに見積もった自然増収だけで景気対策を組もうとするようです。

 その背景には、自然増収分を早く処理して、自然増収だけで財政再建が可能であると悟られないようにするという意図があるようです。名目4%成長になるとほぼ財政再建できますが、それは増税を主張したい財務省に不都合な事実なのでしょう。困った役所です。

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