2013年8月6日火曜日

老化は治せる(7)

 老化について、プログラム説が有力になってきた原因の1つは、アポトーシス遺伝子の仕組みが明らかになったことが挙げられます。アポトーシスとは、ある細胞が老化した場合にその細胞が自殺する現象をいいます。遺伝子の異常によって老化が極端に早く進む早老症がいくつもあることがわかってきました。また早老症遺伝子も複数発見されて、プログラム説は勢いを得ました。

 こうした動きに一石を投じたのが、「老化は、自然炎症をはじめとする炎症という病気が深く関わっている」という新しい知見です。

 生まれたときから次の世代へバトンタッチをするまでの前半生は、キッチリと遺伝子よってプログラムされています。つまり、種の存続や繁栄に必須な性成熟までは、遺伝子情報に従って順々に進んでいきます。そして、時間経過とともに確実に起きている自然炎症に加え、性成熟以降、偶発的に起きる急性、慢性の炎症によってからだが傷害を受けます。さらに、傷害を修復する機能が次第に衰えていきますので、炎症が起き、老化が促進されます。その結果、生活習慣病や老人病になって、老化が促進され、やがて生命を終えることになります。

 肥満は脂肪細胞の増加・蓄積が原因で起こります。この脂肪細胞ができるときに働いているのが活性酸素です。活性酸素は、通常の酸素分子(O2)がわずかに変化した分子ですが、通常の酸素に比べて化学反応が非常に起こりやすい性質があって、過酸化脂質の生成に関わります。

 脂肪の粒(脂肪滴)が皮下にある細胞に多量にたまれば皮下脂肪となり、内臓や腹腔の細胞のなかに蓄積されれば、内臓脂肪と呼ばれます。メタボリックシンドロームは、正確な内容に沿って訳せば、「内臓脂肪症候群」という病名になります。

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