2013年8月19日月曜日

アマゾンは日本で税金を払わず

 「Amazon.co.jpが販売する電子書籍などには、消費税は課税されません」
  現在の国際課税原則では、電子データを国内のサーバーから配信すると消費税の課税対象ですが、海外企業には納税義務がありません。電子データを海外から送れば課税対象から外れます。法人税も同様です。海外企業の課税では、国内に支店や事業所などの恒久的施設(PE)を持つ外国企業にしか課税できない「PE原則」があるわけです。

 アマゾンが公表した201212月期の日本での売上高は前期比18%増の78億ドル(7700億円)。だが米国法人が通販事業で上げる利益に日本の税務当局は手出しできないことになっています。

 千葉県市川市。首都高速道を降りてすぐの臨界工業地帯に、アマゾンの巨大物流施設が姿を現します。国税庁は数年前、この施設が米国法人の一部機能を備えた事実上のPEに当たるとして、140億円に上る法人税の追徴課税処分を下しました。だが、アマゾン側は、同施設はPEに当たらない「倉庫」と主張。日米税務当局の協議の末に、日本側の主張は退けられました。

 先進34カ国でつくる経済協力開発機構(OECD)は、国境を超える電子商取引に限ってPE原則を見直し、売上高や雇用者数に応じて課税する案を検討中といいます。だが、強制力がない指針になる見通しのようです。

 日本の法人税の実効税率は約38%と米国に次ぐ高さです。「税率が高すぎて海外のライバルと戦えない」。ある国内大手ネット企業はデータセンター機能の海外移転を検討しているといいます。

 「電子空間で生まれる富が増え、研究開発など企業の資産の無形化も進む。旧来型の産業しか納税しなくなるかもしれない」。

 危機感をもって対処すべきでしょう。

0 件のコメント: