2013年8月13日火曜日

老化は治せる(14)

 アスピリンなど痛み止めを服用している関節リウマチの患者さんには、アルツハイマー病が少ないのです。どうやら、アルツハイマー病にも消炎鎮痛剤は効くのではないか。アルツハイマー病の患者を調べてみますと、脳のなかにアルミロイドβという物質が沈着しているのがわかります。これは、酵素でも分解しにくい不溶性物質です。
 
 脳の酵素で分解されなかったアミロイドβは、黒っぽいシミのようになって脳内にたくさん観察されます。
老化は、一面このように不溶性(からだの中では、不溶性ということ)のゴミが蓄積した結果で起きるとも言えるでしょう。ゴミが細胞活動を阻害したり、毒として作用したりすると、そこに炎症が起こります。
このアミロイドβが周囲に炎症を引き起こし、その炎症反応がさらにより多くのアミロイドβを沈着させるという悪循環が起きてしまいます。

この動脈硬化は慢性炎症によって引き起こされる典型的な病気です。動脈硬化が原因で起こる病気はいくつもありますが、それらに対してもアスピリンの効果が期待できそうです。
内臓脂肪は、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病に深く関わります。糖尿病は、過剰なカロリー摂取によって内臓にたまった脂肪細胞が炎症を起こし、それが原因で悪化する病気であることがはっきりしてきました。


糖尿病でもっとも恐れられている失明の予防薬としても、アスピリンが効果的である可能性が出てきました。現在、成人の失明の主な原因として挙げられるのが、糖尿病と緑内障なのです。アスピリンは(糖尿病の合併症による)失明の予防薬としても将来的には眼科医から処方されることがありそうです。

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