2013年8月11日日曜日

老化は治せる(12)

   酸化した油を体内に取り込むと炎症が起きやすくなります。酸化した油は免疫システムから異物と認められ、攻撃の対象となるからです。血液に取り込まれた活性酸素がLDL-コレステロールを酸化LDL-コレステロールへと変性させるのです。

発生した酸化LDL-コレステロールは、免疫システムからゴミや毒として認識されるので、ゴミ掃除をするマクロファージの出番となります。マクロファージは酸化LDL- コレステロールを貪食します。脂肪をお腹いっぱいにため込んだマクロファージは、酸化LDL-コレステロールを消化する過程で、炎症を引き起こすタンパク質を多量に周囲にまき散らします。そればかりでなく、脂肪をため込んで変性したマクロファージ自体が、泡沫細胞に変化して血管の壁に付着します。
この泡沫細胞を貪食し、処理しようと、またほかのマクロファージが集まってきます。やがてその場所に脂肪細胞の固まりができてきます。明らかに慢性的な炎症の発症です。こんどは、その部分に血小板を呼び寄せるタンパク質が生産されるため血小板がどんどん引き寄せられてきます。血小板は血液を凝固させる役割があります。そして、ついに血栓となって動脈の内腔を狭くします。
これをもって動脈硬化症の完成です。さらに血栓が大きくなると、血管が詰まってしまい重大な事態を招くわけです。
「少量のアスピリン」は血小板の凝集を抑えることが明らかにされました。血栓ができにくくなるのです。ここでも、アスピリンの炎症抑制の効果がはっきりとしたのです。逆節的ですが、アスピリンは動脈硬化もまた炎症の1つであることを示したのです。

0 件のコメント: