2013年8月10日土曜日

老化は治せる(11)

  しかし、時を経るにつれ新薬には難しい問題が生じてきました。
  アメリカで、米国メルク社から発売されたバイオックスを服用しはじめた人のなかから、心筋梗塞で死亡する患者が続出したのです。米国メルク社は、2004年にバイオックスの発売を中止して、原因究明をはじめました。同時に数多くの訴訟が起こされ、米国メルク社は、最終的に50億ドルもの和解金を支払う羽目になったそうです。
心筋梗塞は、むかしもいまもアメリカ人の死亡の第一原因となっています。
1970年代はじめから、アスピリンを常用している人の心筋梗塞になる確率が、常用していない人に比べてずいぶん低いことも、欧米の医療関係者の間では経験的な事実として知られていたのです。
少量のアスピリンの常用は男性ばかりか、女性でも心筋梗塞の予防に役立つことがデータから読みとれたのです。この「少量の」アスピリンが話の“みそ”です。
広く調査が行われた結果、脳血栓症の予防にも少量のアスピリンが有効であることが世界各地から次々と報告されてきたのです。
この結果を受けて、現在、世界中の医療現場で脳梗塞の予防、再発防止のために少量のアスピリンが処方されています。血液中の脂肪は、HDL-コレステロール(俗にいう善玉コレステロール)とLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)、さらに中性脂肪の三種類に分類されます。この悪玉と呼ばれるLDL-コレステロールや中性脂肪が、動脈硬化をもたらすのです。

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