2013年7月4日木曜日

生産の脱中国が加速

 輸出拠点としての中国工場の位置づけを見直す動きが日本企業で広がっているようです。
 
 オムロンは中国が中心だった血圧計の生産を約20年ぶりに国内で再開します。

 1990年代に人件費の安い中国に生産移管しましたが、「当初は10倍以上あった日本の人件費との差が現地の人件費の高騰で4倍程度に縮まっており、日本での生産で対応できる」と判断したものです。

 中国の人件費は社会保障費などを含めると過去3年間で6割以上も上昇しており1人当たりの人件費では通貨高もあり、アジアの新興国の中で最高水準になっています。


中国の生産機能を見直す主な動き

オムロン

血圧計の上位機種生産を中国から日本へ移管

オリンパス

中国・広東省でのデジカメ生産を停止

メイコー

スマホ用プリント基板の生産機能を中国からベトナムへ移管

キャノン

タイで複合機生産開始、中国と同規模に育成

NTTデータ

インド、ベトナム、ミャンマーでソフト開発、中国依存見直し

現地社員の人件費にとどまらず、中国で日本企業が事業を続けるための負担が増えています。

中国政府は駐在員など外国人を対象に社会保険加入を義務付ける法令を施行しました。北京市や天津市、青島、成都、蘇州などで保険料徴収が始まり、負担増は1人当たり年約80万円に達します。

9千社近い日系企業が集積する上海では「外資系企業への影響が大きい」として導入が見送られています。

反日機運の高まりで、「中国に赴任したがらない社員も出てきた」ということで、中国での生産は、急激に舵をきることになりそうです。

 

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