2013年5月24日金曜日

アベノミクスは3段ロケットで考えるべき

  異次元の緩和によってデフレ基調からインフレ基調に転換できるのか。

この第1段が成功して2%インフレが定着すれば、第2段は実質経済成長率が高まるかどうかです。インフレと高成長が実現すれば、次は再生の持続性が回復するかどうかです。実質成長率が1%では国民生活の実感としては良くなりません。

 インフレは低所得者を苦しめるので、格差を拡大させる恐れもあります。そこで痛みを伴う構造改革(成長戦略)で成長率を上げる必要が出て来ます。これが第2段です。「経営者の流動化」こそ成長戦略の本筋ではないか。成長戦略が大成功し、実質成長率が2.5%になったとしよう。これは、インフレ率2%の下では名目成長率4.5%の高度成長を意味します。

 ニューヨーク私立大学の北尾早霧准教授、明治大学の山田知明准教授のシュミレーションでは、賃金成長率が2.5%になっても日本の公的債務比率の上昇は止められないのだといいます。つまりインフレと高成長が実現しても、大規模な増税と歳出削減の痛みは避けられそうもありません。先送りすれば、ギリシャのような財政破たんが待っているというわけです。

アベノミクスが大成功しても財政の大きな宿題は残ります。国民は気を引き締めて長期の政策を考える必要があります。今のムードだけで、参院選、都議選に臨むと、大変なことが起きそうな感じがします。

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