2013年4月9日火曜日

カロリー制限は大間違い(2)~牧田善二

 
なぜ、炭水化物だけが血糖値を上げるのでしょうか。私たちが摂取した炭水化物、つまり糖質は体内で消化、分解されてブドウ糖になり、血液とともに体全体に運ばれます。血液中のブドウ糖の量はすい臓から分泌されるインスリンによって調節されていますが、糖尿病になるとインスリンの分泌量や効き方が十分でなくなるために、血液中のブドウ糖の量が過剰になってしまいます。これが、高血糖の状態です。ところが、脂質やたんぱく質はブドウ糖にならないために、いくら食べても血糖値に影響することはありません。

医療現場での食事指導の主流は、いまだにカロリーコントロールです。けれども、いくらカロリーを減らしても炭水化物を摂れば、その分血糖値は上がります。たとえダイエットの効果で一時的に体調が改善されても、根本的な解決にはなりません。

牧田氏も10年ほど前までは、カロリー制限が正しいと思い込んでいたそうです。
  医療現場での食事指導の主流は、いまだにカロリーコントロールだといいます。

アメリカ糖尿病学会(ADA)の公式ガイドブックには、「炭水化物は摂取後15分以内に血糖値を上げ、2時間以内に100%ブドウ糖に変化して吸収される。たんぱく質や脂肪はまったく血糖値を上げない」とはっきり記されています。

50代男性のCさんは、「アルコールのカロリーは、1グラムあたり約7キロカロリーと高いので、お酒を飲むときはその分のカロリーを他の食べ物から引くこと」という指導を受けていたため、酒の席ではできるだけつまみを食べずにいたそうです。すると、いつも翌朝の体調が悪い。「やはり酒を飲むと高血糖になり、体に負担がかかるんだ」と信じ込んでいました。

ところが、これは全く逆です。アルコールには血糖値を下げる作用があるので、食事を減らしたCさんは低血糖状態に陥っていたわけです。ADAの公式ガイドブックにも、「お酒は、ブドウ糖に変わり血糖値を上げることはしない。お酒は肝臓からのブドウ糖放出量を減らすため、インスリンや糖尿病の薬を使っている人は低血糖になる危険がある」とはっきり書かれています。

ビールや日本酒には糖質が含まれているので摂取後の血糖値はほぼ横ばいになりますが、焼酎やウイスキー、ワインなどの場合は低下してしまいます。適度なアルコール摂取を奨励しています。控えるべきは、シメのラーメンです。

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