2013年4月24日水曜日

投資より現金(4)~萩原博子

 
保険とは当たる確率の低いくじのようなものなのです。死亡保障を例にとりましょう。

 生命保険の保険料は、男性の場合、10万人が一斉に生まれ、順次死亡して、107歳で全員が死亡するという前提で、毎年の死亡確率を出し、これを元に算出されます。たとえば、40歳の男性の場合、生き残っている97391人中、年間に死亡するのは44人。つまり、97391人が払った死亡保障の保険料は、不幸にも亡くなった144人がもらい、その年は終わりということになります。10万人が生まれた男性が、半分の5万人を切るのは82歳。死なない限り、払った保険料の元は取れません。

 定年退職が近づいてきたら、すぐ年金生活に入るよりは、しばらく働き続けることを考えてみてはどうでしょうか。退職する前に教育訓練給付制度を利用して、退職後も何か職に就けるような態勢を作っておく方法もあります。年金支給は65歳からなので、まずはそれまで働けるプランを作っておくべきです。

 60歳からもらう場合は、給付額は通常よりも30%減額になり、70歳からもらい始めると42%の増額になります。たとえば、65歳から月万円の年金を受け取る人の場合、これを六十歳からもらうようにすれば、年金額は月3万5千円になります。七十歳からにすると月7万1千円になり、この増額は一生続きます。

 77歳までに亡くなるのなら、60歳からもらい始めたほうが総受給額は65五歳からもらい始めるよりも増え、82歳以上生きそうなら70歳からもらうほうが総額は多くなります。ただし、一度決めた年金受給開始年齢は変更できません。

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