2013年4月23日火曜日

投資より現金(3)~萩原博子

 
「マンションオーナーになれば高利回りで安定収入」などという宣伝をよく見かけますが、税金対策が必要な資産家でもない限り、不動産投資は普通のサラリーマンには向きません。まず、ほとんど儲かりません。

 定年退職した人が、家賃という毎月の「定期収入」に魅力を感じてマンションオーナーになりたい心理はわかりますが、空室が続いた場合、年金以外の収入がないのにローンの返済金だけが出ていく怖さが不動産投資にはあります。

 もしものときのために、誰もが加入を考えるのが保険です。保険には、三つの保険機能があります。

 まず、病気になったときの医療保障、次に、死んだときの死亡保障、そして貯金目的の貯蓄保障です。すべての保険は、この保障の組み合わせでできています。その保障に保険会社の経費を上乗せしたものが、保険料の額になります。三番目の貯蓄保障については、現在、運用利回り(予定利率)が低く、保険で貯金するメリットはないので考える必要がありません。これから保険に入るという人は、死んだときと病気になったときの保障だけを掛け捨てで買えばいいのです。

 入院一日につき一万円くらい出る掛け捨ての医療保険に加入すればいいでしょう。終身保険の終身払いで、怪我でも病気でもすべての入院をカバーするタイプにすると、保険料も安くなります。

 死亡保障については、まず自分が死んだら誰か経済的に困るのか、そのためにいくらの保障が必要かを考えましょう。

 会社勤めの夫が亡くなり、専業主婦の妻と小さいこども二人が残された場合、子どもたちが18歳になるまで遺族厚生年金が月々15万くらい出ます。住宅ローンが残っている場合も、ほとんどの人はローンを組んだときに団体信用生命保険に加入しているため、この保険と残りのローンが相殺されて、住宅ローンが無くなるケースがかなりあります。

 足りなくなりそうなのが教育資金です。教育資金は、子ども一人につき1000万くらいかかるといわれていますから、二人で2000万円。これを、生命保険の死亡保障で補うといいでしょう。

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