2013年1月3日木曜日

藤巻健史の日本大沈没(3)


ドイツの研究所は、懸賞金を出して、「どうしたらスムーズにユーロを解消できるか」についてのアイディアを募っているそうです。ユーロは壮大な実験ですが、始めるよりも、維持すること、終わることの方が難しいのは、世の常です。
ユーロ解消よりも現状維持の方が楽だから維持を模索しているだけならば、それは日本が財政赤字を子孫へつけ送りしているのと同じだと鶴巻氏は厳しく指摘しています。

ユーロ崩壊時、どの国の通貨で元本を返してくれるかわかりません。それがわかならいから不安になります。鶴巻氏などは、それが不安だから、今後もユーロに手を出さないと言っています。ゼロには、ならないけれども、どんでもなく損する可能性があります。

人が人為的につくった制度、ここでは「ユーロという地域固定相場制」ですが、遅かれ、早かれ、破綻するということです。経済は「微調整のできる市場原理」にのっとった方がいいと鶴巻氏は述べています。

日本とギリシャ、どちらが危機的な状況かいうと、鶴巻氏は、明らかに日本の方だと思っていますといいます。
債務残高の「対GDP(国内総生産)比」でいうと、日本は先進国中で断ドツに悪いのです。2012年の数字だと日本の219%に対し、ギリシャは181.2%、イタリアは128.1%、スペインは77.2%に過ぎません。
債務残高/GDPの数字ですから、大きければ多いほど状況が悪いことになります。日本はバブル崩壊以降、巨大な赤字を20年にわたって積み上げてきました。

橋本龍太郎元首相は1997年に「財政構造改革法」という法案をつくりました。
1997年というのは、日本経済が大底で財政再建どころではありませんでした。この法案は骨抜きとなり、小渕内閣のときに実質廃案になってしまいました。
1997年末の借金総額369兆円でしたが、放置し続けた結果、20123月末では960兆円と2.6倍に膨れ上りました。今も増え続けています。

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