2012年9月28日金曜日

日本の経済力


双日総合研究所副所長の吉崎達彦氏が標題で産経新聞に寄稿していました。
日本は一昨年、GDPで中国に抜かれてしまったが、国土が狭く資源に乏しい国として世界第3位は立派な成績です。
今年4月時点の国際通貨基金(IMF)データを見ると、日本のGDP5.9兆㌦でした。1位の米国15兆㌦や、2位の中国7.3兆㌦には届かないまでも、4位のドイツは3.6兆㌦なので、当分は抜かれる心配はなさそうです。韓国は、世界第15位の1.1兆㌦なので、日本の5分の1に過ぎません。

ストックたる「富」はどうでしょうか。
先月、「リオ+20」会議で国連環境計画(UNEP)が発表した「包括富レポート2012」は、この難しい計算に取り込んでいます。世界20ヶ国を対象に、それぞれが保有する富を「物的資産」(機械や建物やインフラなど)、「人的資産」(人々の教育数準や技術)、「天然資産」(土地、森林、天然資源など)に分けて計算したものです。

この尺度でいくと、日本は米国に次いで世界第2位の資産国となっています。「年収」で中国に抜かれたとはいえ、「富」を比較すると日本は中国の2.8倍もあるわけです。

人口1人当たりの富は、日本が堂々の世界第1位でした。
「わが国の資源は勤勉で教育水準の高い人材だけ」という、長年の自己認識通りの結果である。
調査された20カ国のうち、1990年から2008年まで間に「天然資産」が減少していないのは日本だけでした。「環境のきれいな先進国」であるというわけです。事実、この期間中にわが国の森林面積は増えています。

「経済の金メダル」を競う統計として、「国際競争力調査」があります。世界経済フォーラム(WEF)と、経済開発国際研究所(IMD)という2つの機関によるものが知られています。
この調査の元データは、世界各地の企業経営者に対するアンケートであるから、吉崎氏は、この調査をあまり信用していないそうです。

日本の失業率は4.4%であり、消費者物価上昇率の0.2%と足し合わせた4.6%は、世界の主要国では最も低い水準です。先進国はどこでも二桁が当たり前だし、ユーロ圏には失業率だけで10%以上という国が少なくない。日本の「悲惨度指数」は健闘しているといえると、もう少し胸を張ってもよさそうです。。

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