2012年9月20日木曜日

原田泰氏の震災復興欺瞞の構図(17)


  昨日からの続きです。
インフラ建設に時間がかかる理由
「復興計画では効果の明らかでないプロジェクトに巨額の公費を投じようとしているが、それは同時に時間のかかることでもある。日本ではインフラの建設のために多大な時間がかかる。

中国の新幹線は2005年には700キロメートルの路線しかなかったが、2011年には8358キロメートルとなっている。一方、日本の新幹線は、1964年に515キロメートルの東海道新幹線を開業してから、現在の2388キロメートルになるまで47年かかっている。なぜ日本はこんなに遅いのだろうか。

北海道新幹線(新青森-新函館、2015年度開業予定)と北陸新幹線の場合、着工が決まったのはともに2005年であるから開業までにほぼ10年かかることになる。それ以前の紆余曲折を入れると何十年もかかっている。北海道新幹線は149キロ、北陸新幹線は228キロだから、年に15キロメートルから23キロメートルしか作ることができないわけだ。

これに対して、第2次大戦中、日本陸軍は、タイとビルマを結ぶ鉄道、415キロメートルの泰緬鉄道を19426月から4310月までのわずか14ヶ月で完成させた。年に311キロも建設した訳だ。現在は、巨大なパワーシャーベルも、カッターを回しながら大口径のトンネルを掘るシールドマシンも何でもある。人間を酷使するより、ずっと早く工事ができるはずだ。

工事が遅い理由は、速く工事をしたくないからだ。人々は、新幹線が来れば地元が発展すると思っている。確かに、停車駅は、それ以前より発展するだろうが、在来線しか停まらないところは発展しない。ある都市の人口が増えるのは、別の都市の人口が減ることと同じである。群馬県の県庁所在地である前橋市の人口は、高崎市の人口より1万人少ないだけだったが、新幹線が高崎に来てからはその差が開き、2010年には3万人となっている」

中国の建築のスピードが早いのは、ビルでもいえます。日本のように2年、3年もかかりません。日本の場合、道路工事を見ていましても休み時間も長いように思えますし、実際に作業する直接人員と直接工事をしない間接人員をみますと、間接人員の方がはるかに多いようです。これは、日本全体ですべてにいえるようです。日本の企業が高コスト体質になっているのは、ここが問題ではないでしょうか。直接働く人が減り、働かない人が多くなっているように思います。

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