2012年9月10日月曜日

原田泰氏の震災復興欺瞞の構図(10)


前日からの続きです。

「震災復興で政府がこれまでしてきたことを一言でいえば、コスト感覚がないということだ。
コストを考えてこそ、大震災からの復興を成功させることができる。仙台で津波の大きな被害を受けたのは仙台湾に面した若林区だが、そこは水田と住宅が入り混じる地域だ。床下浸水程度の被害でも、水田は塩を被って使用できなくなる。塩抜きするのは新たに水田を買うぐらいの費用がかかるらしいので、被災農家は、国の援助を求めている。

一方、津波で家を失い、地盤沈下で住めなくなった人々もいる。床下浸水程度の被害を受けた農地なら、塩抜きをするよりも、宅地転用して、住めなくなった土地の人々が住めるようにすれば良い。塩抜きにかかる費用で国が水田を買い上げ、家を失った人々に安く払い下げれば、塩抜きしたり、堤防を造って沈下した土地に住めるようにするより、ずっと安くすむではないか。

水田を塩抜きするより宅地にした方が安上がりということに気がつかない日本人に、アメリカと戦うのは、そもそも無理なことだった」
 ここで、アメリカとの戦争を取り出すこともありませんが、国の税金を使う以上は、最適な方法を考えてほしいものです。

「結論として言えることは、これまでの震災復興政策の多くは浪費であった。少子高齢化に向かう日本に、そんな浪費をしている余裕はない」
と、原田氏は厳しく、そして正しく指摘しています。今からでも正常に戻すことは、難しくないはずです。

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