2012年2月1日水曜日

60歳からの生き方(17)

  ある体操の先生がある投書欄で、「若者よ、立ちなさい」と、苦言を呈したことがあります。その体操の先生がスポーツ関係者の集まりに出たときに、若い男女の選手は、早くから来て自分の席を確保していました。その結果、遅れて来た年配の人のなかに座れない人が多く出てしまいました。そこで、「先輩たちへの礼」をふくめて、「立ちなさい」といったのです。

その意見に対して、さっそく多くの若者からの反論が届けられました。要約すると、(1)年寄りだからといって、席に座れると思い込むのは理屈に合わない。席に座る権力は誰にでもあるはず。それが公平というものだ。(2)「先輩だから礼をつくせ」というのはおかしい。礼をつくすに足るかどうかは、個々の識別、判断による、という主張が大部分を占めていました。

年長者だから席を譲ってもらえるのだと信じ込むのはやめなさい、というのでした。年配だからというだけで座れるのが当たり前と考えず、座りたければ、早く来て列の先頭に並ぶなどの努力を払うべきだというのです。

多胡氏は好むと好まざるとにかかわらず、若者のこうした考えが、これからの主流となるだろうと考えています。

反論をしてきた若者たちが、いつかは「敬老の意識」を持ち、考え方もかわっていくだろうという期待は、あきらめておいたほうがいいと思うのです。

これまでのように、困ったときはおたがいさま、社会がなんとかしてくれるだろうと考えず、「最後は自分ひとり」という“自覚”を持ち、社会からの自立が大事になってくるというのです。

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