2011年11月15日火曜日

地震予知はいらぬか

 静岡市で開催中の日本本地震学会は最終日の1015日、マグニチュード(M)9クラスの巨大地震(東日本大震災)を想定できなかったことを「自省」し、今後を考える異例のシンポジウムを行いました。

ここでは、「地震予知はいらない」「批判精神が欠如していた」など厳しい指摘がなされました。

 「不毛な地震予知をやめるべきだ」との論文を発表して話題を集めたロバード・ゲラー東京大学教授は、講演で「大震災を受けて日本の研究や防災対策をリセットする必要がある。政府が仮定した地震と実際に発生したものが一致せず、直前の地震予知は『不可能』だと国民に正直に伝えることが大切だ」などと、厳しく指摘しました。ゲラー氏は、以前からこのスタンスは変えていません。

あまりにも批判の声が続く状況を見かねてか、研究者の中からは「なぜ地震学者が(地震予知など)すべてを背負い込んでしまうのか。学者が肩の力を抜いて研究に集中して取り込めば、結果的に防災に役に立つのでは」との意見も出されました。

マグニチュード(M)9の巨大地震が起きることはないと思い込んでいたと、地震解析において“トップランナー”といわれる古村考志・東京大学地震研究所教授が話すように、東日本大地震が研究者に与えた衝撃は非常に大きいものでした。

なぜ、このような思い込みが生じたのでしょうか。古村教授は「地震解析と数千年単位の歴史地震研究などを合わせて、総合的に考えるという『努力』が足りなかった」としています。

古村教授は「次は西日本が危ないことは誰もが分かっている。二度と同じ轍を踏むことは許されない」と強調しています。しかし、地震学者の話をどれだけ真剣に聞くでしょうか。心配な限りです。

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