2011年10月22日土曜日

東京都が発電所建設

 驚くことに東京都が独自に「天然ガス発電所」をつくる組織横断のプロジェクトを立ち上げました。電力の最大消費地・東京で、“地産地消”を進める計画ですが、このプロジェクトには、この国の電力会社の異常な独占状態にメスを入れる目的もあるといいます。旗振り役の猪瀬直樹副知事に日刊ゲンダイが917日に話を聞きました。

「これをもって、国と東電と戦う。国の審議会は既得権益や利害関係者の集まりで、今後、堂々巡りの議論が繰り返され、何の改革も進まないのは目に見えている」と語ります。

発端は、東電の要領を得ない対応、いい加減さにあるといいます。

都の施設全体の電力消費は80万㌔㍗ですが、約270の施設がそれぞれ東電と契約を結んでいるので、単価はバラバラです。毎時ごとの電力使用状況のデータを知りたくて、東電に求めましたが、正確なデータが出せないという施設が半分の147もありました。

独占事業なので、お客さんが当たり前のように電気料金を払ってくれると思っているからズサンなのです。

燃料費や利幅の根拠も、ワケのわからない「総括原価方式」で不透明です。

東京都を代表して交渉すれば、東電は弱小業者を相手にしてきたようにはいかないでしょう。

都が計画する天然ガス発電所は、原発1基分にあたる100万㌔㍗級です。都内のピーク時電力の不足分を補う切り札にしようと考えています。都が発電所用地を提供しますが、事業に公費を入れず、PFIなど民間からの投資を念頭に置いています。915日には、候補地を江東区と江戸川区の都有地5ヵ所に絞りこみました。

このプロジェクトは、「エリアごとに分散化した地産地消の発電所」という新しい事業モデルになります。

そして、送電会社を東電から分離した場合、どうなるのかといった議論にも進展します。電気の適正価格も見えて来ます。

東京都が、電力市場の活性化と規制撤廃の先頭に立ち、電力独占の異常な状態を改革しようと思っていますと猪瀬氏は語っています。

わたしは、猪瀬氏はあまり好きではありませんが、今回のこの試みは、途中で挫折することなく、石に噛り付いても、成功してほしいものです。

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