2011年8月16日火曜日

中国空母の弱みと脅威(2)

昨日は、コール教授のように中国空母に懸念を持つどころか、どんどん建造してくれる方がアメリカのためだという人もいますが、同じ米国の専門家でも中国空母の平時威力を強調する人たちもいます。

ブッシュ前政権下の国防総省中国部長で、現在は大手研究機関AEIの中国専門研究員や議会諮問機関の米中経済安保調査委員会の委員を務めるダン・ブルーメンソール氏は次のように語っています。

「有事には米国や日本が中国の空母に対処する能力が高いことは事実だが、空母を攻撃して無力化するには、特定の戦力を特定の位置に配備しておかなければならず、そう簡単ではない。その一方、空母は平時には一般国民へのパワーと威信の誇示に絶大な効果がある。だから、空母が中国の海洋戦略全体に寄与する力は重視せざるをえません」。

すなわち、中国の空母出現によって米中の軍事バランスが変わったと思い、中国に傾く国も出かねないということのようです。

実際の戦争時に空母を守ることは非常に難しいように思いますが、当分は戦争はないという前提に立つと、空母の威容は、日本を含めて周辺の国々に圧倒的な威容を示すことになるでしょう。空母で遊びたい中国の軍人は、遠洋航海にもどしどし出かけて中国の力を示そうとするでしょう。戦争経験の非常に少ない中国軍人の若いエリートには、危険を感じます。

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