2011年5月1日日曜日

放射能(4)

引き続き山下教授の講演などから引用します。

 今後心配していることとお願い

 放射性物質が広範囲に飛び散っているので、今後、食物連鎖を通じて、汚染された食べ物が市場に出るのが困ります。まずは、どの地域でどういう汚染がでているのかモニタリングし、データをきちんと出すことが必要です。それらを照らし合わせて、食べたときの被ばく線量を推定し、1年間に数十mSv100msvに近づくようであれば、規制が必要になります。

 食の安全に厳しい日本では監視体制が強化されると思いますが、逆に規制が風評被害を及ぼさない配慮が必要になります。福島県民が背負った震災、津波、そして原子力災害という三重苦に対して、また東日本を襲った国家存亡の非常事態にすべからく国民がその重荷を分担する覚悟が今こそ必要であり、そのことが古来、山紫水明の山島と呼ばれた大和の国の“和”を大切にして、パニックにならずに落ち着いて行動する日本の誇るべき文化ではないでしょうか。

 検出された放射性物質の濃度は、高いレベルの数値だが、海水で希釈されることで今後、問題のないレベルまで低下すると考えられます。ただちに福島原発近くの住人の健康に影響が出るとは考えにくい。ただ希釈には時間がかかることも予想され、福島原発から離れた海でのサンプル採取を含め継続しての観測が必要です。東京電力や政府は、社会不安の解消のためにも、積極的にデータを開示すべきだろう。

山下俊一長崎大学教授は、両親が長崎の原爆に遭い、被爆二世です。現在は、福島県知事の要請で、放射線健康リスク管理アドバイザーとして現地の被ばく医療に従事しています。

今回の原発事故では、東大、東工大、慶大その他の教授、准教授がテレビに出まくっていますが、分かっているのかなと思う人が多く、信用できませんでした。山下氏は、原爆を投下された長崎で育ち、多くの被爆経験者の声を聞き、対応もされて来られて、テレビに出ているにわかコメンテーターとは大きく異なるようです。

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