2011年3月13日日曜日

ボケてたまるか(3)

 東京都健康長寿医療センター研究所の粟田主一研究部長が説明します。「朝食に何を食べたか、すぐに思い出せないことは誰にでもあります。しかし、これは老化による物忘れ。一方、朝食を食べたこと自体を忘れてしまうのが認知症の『記憶障害』です。

ほかに、『判断力障害』もあります。普通、ヤカンが沸勝していれば火を止めますが、認知症になると、沸勝していることの意味も、どう対処していいのかもわからず、火を止めないのです。部屋が散らかっているのに、掃除の仕方がわからないなど、物事の手順が考えられなくなる人もいます。これは『実行機能障害』と呼ばれています。

言葉が出てこなくて、意味不明の言語が増えてくる『失語』という症状もあります。たとえば、「ねこ」を復唱させると、「ぬこ」などと言って、その間違いを正すことができません。

家族の顔がわからなくなるなど、知っているはずのことが認識できなくなる『失認』といった症状も出ますが、病気が進行していくと、もっと辛い二次的な症状が現れます。

「うつや幻覚、妄想です。『嫁が財布を盗んだ』と言って騒ぐのが、妄想の典型例。自分の便をいじる弄便や、土などを食べる異食など、理解しがたい行動をとる人もいますし、怒りや焦りから暴力をふるったり、徘徊を始める人もいます」(栗田氏)

認知症にかかると、人はまるで別人のようになってしまうそうです。

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