2011年1月12日水曜日

東野圭吾の「秘密」(2)

1999年の映画化では、藻奈美を広末涼子、平介を小林薫、直子を岸本加世子が演じました。2010年のテレビ化では、藻奈美を志田未来、平介を佐々木蔵之助、直子を石田ひかりでした。時間の長さにも相当の違いがあるので、出来栄えを云々いえませんが、志田未来の演技は、すばらしかったと思います。藻奈美役、直子役を見事に演じていました。

さて、この「秘密」について、人気のある作品でしたので、投稿もたくさん寄せられています。

『実は感動の家族愛の話ではない。娘の体に乗り移り一方的に若返ったために、最早夫婦と

最初はなんとか普通の生活をするように努力した。しかし妻の心を持つと言えども、娘の体を持つ以上夫はセックスを出来ない。二人はまだまだ寿命までは長く、過去に夫婦だったからといってこのまま中途半端な関係のまま年をとるのは現実的な選択とはいえない。まして娘に戻った妻はかなり若いので、このさき夫が年をとり死んでいったとき家族もないのに一人きりになってしまう。

まして娘に戻った妻はかなり若いので、このさき夫が年をとり死んでいったとき家族もないのに一人きりになってしまう。

過去の自分には戻れないし、かといってこのままでは自分の老後の将来はない。自分の体は娘で夫もしセックスも含めた家族生活が出来ていたら、妻の選択は違ったものになったかもしれない。道徳的・生物的な問題はおいといて、子供を残し改めて家族を作るという選択肢もありうる。

それはとても現実的な決心であり、それをするための作戦を注意深く考えた。夫をあまり傷つけることなく、なおかつ夫の嫉妬からくる干渉を避け、自分の将来を見据えた人生を歩むための計画を。最後にばれたとしても、結婚してしまえば流石に夫も諦めがつくだろう。

 夫を嫌いになったわけではない。だが現実的な選択をしたのだ。そのために膨大な努力をした。多分女の人ならばこれを理解する人もいるのではないか』など。

結局、何が秘密だったのでしょうか。直子は藻奈美の体を借りて、生まれ変わって来ましたが、結局は、戻ったのは、直子のみだったのでしょう。藻奈美が出現したように直子は、平介を信用させたものと思います。

たしかに平介と藻奈美(心は直子)が、これからも一緒に生活することは、難しかったでしょう。しかし、二人が成長してゆけば、見た目は問題なかったはずです。そして、養子をもらうなども出来たでしょうが、直子は、早々と男性を見つけて結婚しました。「秘密」を知った平介には、残酷です。今から藻奈美の中学時代の橋本多恵子先生を追いかけるわけにもいかないでしょう。結構、残酷な話です。

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