2010年11月27日土曜日

ダライ・ラマ(4)

 中華人民共和国政府の外交との関係
 ダライ・ラマ14世が訪問する場合、その国が中華人民共和国と国交がある国の場合には、訪問先の政府に対して、"一つの中国"を掲げている中華人民共和国の国務院から外交ルートを通じて抗議が入るのが通例だそうです。また、中華人民共和国国内でのダライ・ラマ14世の著書や写真の保有・持込は、治安当局の取締対象になる危険性が高いといいます。

 2008年の動乱
 2008年3月15日、中華人民共和国のチベット自治区ラサ市で、チベット族が漢族を襲撃し、暴徒化したチベット族が商店を略奪・放火する暴動が発生、治安当局が催涙弾などで制圧しました。テレビなどで、海外メデイアが報道したとおりです。

 温家宝首相は、「暴動はダライ・ラマ14世の組織的な煽動によるものだ」と非難しました。また、ダライ・ラマ14世に対して「チベット独立を放棄し、台湾(中華民国)を不可分の中華人民共和国の領土と認めること」を条件に中華人民共和国国務院とダライ・ラマ14世との平和的な対話を呼びかけました。

 これに対してダライ・ラマ14世は、暴動が自身の策動によるとの国務院の見解を否定し、事態を収拾できなくなった場合は、チベット亡命政府の最高指導者の地位を辞任することも表明するとともに、中華人民共和国国務院との平和的な対話再開に前向きな姿勢を示しました。

 この動乱における中国共産党の行ったチベットでの処置について、ダライ・ラマ14世は「文化の大虐殺(en:cultural genocide)に等しい」と述べています。

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