2010年5月6日木曜日

人間の体は浮気、不倫を前提に作られている(3)

昨日に続いて、標記について森川氏の説を述べます。
証拠その3 「ペニスの形状」
3番目の理由は、ペニスの形状です。人種が違ってもペニスの形状はだいたい類似しています。必ずきのこ状になっているのは、その方が、男が感じるとか女を余計喜ばすことができるとかいう考えもなくはありませんが、最近ではもっと説得力のある別の見方も出てきました。
 その形状は、膣内に入り込んでいる他人の精子をスラストによってかき出す役割が重要であるということです。前述のブロッカー精子は先に膣内に入り込んだために進化したものであり、ペニスの形状は2番目以降の精子が突入した場合に有効です。
 人間のオスは、他の動物のオスより射精まで長い時間を要します。さまざまなアンケート調査では男性は射精まで数分間かかると申告していますが、これは男性の見栄でうそをついている場合が多いようです。ただし実際にははるかに短いとしても、ほかの動物よりはかなり長いと言えます。
 それは、女性を長い時間喜ばせるためにスラストの回数が多くなったわけではありません。より長い時間をかける方が、膣内に入り込んでいる他人の精子をより多くかき出すことができるからです。さらに言えば、男性のペニスは真っ直ぐになっているわけではありません。
 通常、左右どちらかに微妙に傾いています。このように曲がっているのは、真っ直ぐである場合よりも、より多く、先に入り込んだ別の男性の精子を外にかき出すことができるからです。
 本当かどうか疑問に思っている方がいるのは当然で、森川氏も疑問を持ったようです。きのこの形になっているからといって、それがどの程度かき出せるのか疑わしいと思ったからです。
 ところが実際に実験をした学者が現れました。ニューヨーク州立大学のギャロップ教授らのグループで、論文は2003年に発表されました。米国で市販されているおとなのおもちゃ、男性用と女性用の両方を使って、どの程度かき出せるのか実験してみたのです。
 ギャロップ教授らは形状の違う4種類のものを用意しました。それを子宮(もどき)のおもちゃに入れて、入り込んだ精子(もどき)をどのくらいかき出せるのか実験したのです。
 実験の結果、きのこ状になっていないものは35.3%の精子(もどき)しかかき出すことができなかったのに対して、男性のペニスに最も類似したものは91%もかき出すことができたのです。
 どの程度奥に挿入するかでも、かき出せる量の違いが出てきました。4分の3程度奥に挿入させた場合は40%未満しかかき出せなかったのに対して、奥まで挿入させた場合は90%以上かき出せたのです。
 このように、ペニスの形状や睾丸の大きさは、精子戦争に多大な影響を与えることが分かりました。ペニスの形状も女性が浮気性であることが前提で進化したものであることもお分かりいただけたことでしょう。ペニスが現在の形態になったから、女性が浮気性になったのでは決してありません。女性が浮気性であるから、男性の性器が進化したのです。
 なお、ペニスの大小と浮気性との因果関係は賛否両論があり、現在までのところ、意見の一致をみていないようです。

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