2010年5月24日月曜日

フレクトロニクス(富士康)で今年だけで死者が7名

 中国広東省に工場を持つフレクトロニクス(富士康)で、今年1月から今月14日までに7人の従業員が高いところから転落して死亡したと報じられています。フレクトロニクスは、いわゆる委託加工を専門とする会社でEMS(Electoronics Manufacturing Services)と呼ばれる会社です。1965年、アメリカで起業し、1981年 シンガポールに売却され、現在も本社はシンガポールです。その後、テレビでも報じられましたが、2002年5月、カシオマレーシア、愛知カシオを買収。2004年8月には、フロッグデザインを買収し、2006年8月 にはイーストマンコダックのデジタルカメラ製造部門を買収しました。2007年10月 には、EMS企業としては世界第3位のソレクトロンも買収し、拡大に拡大を遂げています。
 業務もマイクロソフトのXbox、Xbox 360、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズやモトローラ、ノキアの携帯電話、カシオのデジタルカメラ、hpのインクジェットプリンタ(マレーシア工場)、最近はアップルのiPhoneも製造しています。
 新聞によると、今月11日に死亡した6人目までは、警察も自殺としましたが、14日に死亡した7人目の男性従業員(21)は、転落現場に血のついた短刀が見つかり、遺体にも切り傷があったことで、調査を進めています。フレクトロニクスは、従業員が50万人ともいわれ、管理面については、常に問題視されていました。
 話は変わりますが、この会社には、東京の国立大学の生産技術の教授が、金型製造の指導に行ったりしており、わたしは別の面でも危惧しておりました。
 ここで、安く作れるのは、ノキアなどが、自社が買える価格でフレクトロニクスが買えるようにしていることです。他の顧客からもらった注文もノキア価格で購入して納めますので、なかなか競合は勝てません。
 現在、フレクトロニクスのある広東省樹海や沿海部は、急激に人件費が上がっております。こういうことが起こると、内陸部から遠く沿海部に出稼ぎには、行かせなくなる人が増えるでしょう。これから、中国で工場を作られる方は、内陸部をお薦めします。

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