2010年4月17日土曜日

無罪の可能性のある大久保容疑者(1)

 小沢氏の公設第一秘書の大久保隆規氏が東京地検特捜部に逮捕されたのは、2009年3月3日のことです。逮捕された容疑は西松建設から献金を受けたにもかかわらず、別の政治団体から献金を受けたようにして、収支報告書にウソの記載をした疑いがあるというのです。その政治団体というのは、次の2つです。
 1.「新政治問題研究会」(95年設立、06年解散)
 2.「未来産業研究会」(98年設立、06年解散)
 これら2つの政治団体は、西松建設のOBが代表を務めていた政治団体です.。しかし、政治団体としての実体はなく、西松建設のダミーの団体だと検察はいうわけです。そして、大久保秘書はその団体が西松建設であることを知りながら、献金を受けたとして逮捕されました。
 ところが、2010年1月13日の第2回公判で、検察側の証人として出廷した西松建設の岡崎彰文・元取締役総務部長は、「2つの政治団体は事務所も会社とは別で、家賃や職員への給料も団体側が払っていた」と、実体があったことを証言したのです。
 実は、この部分がこの裁判の核心部分なのです。もし、これら2つの団体がダミーではなく、本当に実体があったとすると、大久保容疑者を逮捕する理由がなくなってしまいます。
 大久保容疑者は、検察の取り調べに対し、一貫して西松建設とは知らなかったといい切っているのです。そのことに加えて検察側の証人から団体は西松建設ではなく、実体があったといわれてしまうと検察はきわめて苦しくなります。
 この事態に慌てた検察側は、「あなた自身が訴訟を起こされることが心配で、本当のことを話せないのでしょう」と証言の撤回を求めました。しかし、岡崎氏は、証言を翻しませんでした。裁判官も岡崎氏に確認しましたが、岡崎氏の答弁は一貫していました。
 実は岡崎彰文氏も逮捕されており、調書はとられているのですが、裁判では証言を翻しているのです。なぜ、こうなるのかというと、検察側は勝手にストーリーを組み立てていて、その流れに乗って容疑者を自白させようとしているからです。そしていったん調書を取ると、後から絶対に訂正に応じないので、容疑者は裁判で供述を翻すことになるのです。
 これによって不利になったのは検察側です。このままいくと、大久保容疑者は無罪になり兼ねないので、16日に大久保氏を逮捕しています。本当は15日に石川容疑者たちと一緒に逮捕したかったのでしょうが、所在がわからなかったので、一日遅れて16日に逮捕しました。一般的に逮捕するときは、事前に所在をチェックしておくものなのですが、それをしていなかったところに検察のあせりがあると見られています。
 東京地検特捜部が国民からの批判を覚悟の上で、再び陸山会に家宅捜査に入ったのは、おそらく国民の目を大久保公判からそらしたいという気持ちのあらわれであったと考えられます。既に陸山会には大久保容疑者逮捕のときに徹底的な家宅捜査をやっているので、めぼしいものが出ないことはわかっていたのでしょうがそうせざるを得ない事情があったのです。
 そして、1月22日には、検察側は大久保公判の日程をすべて取り消し、延期をしてしまったのです。なぜなら、このまま進むと、3月後半には判決が出てしまうためです。もし、そこで無罪ということになると、それまでの小沢捜査は何であったのかという検察に対する国民の批判が巻き起ることになることを検察は何よりも恐れたからです。(この多くは、Electronic Journalから引用しました)

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