2010年3月17日水曜日

イスラエルの入植地計画

 バイデン米副大統領がイスラエルに訪問中にあろうことか、9日、イスラエルは東エルサレム区域での新たな入植地建設を発表しました。当然のことながら、パレスチナ側は態度を硬化させ、米国もクリントン長官が、12日朝、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会議し、強く改善を求めました。撤回を求めるべきでしょうが、どういうわけか、アメリカ政府は、イスラエルには遠慮しているようです。
 中東和平の仲介役を務めてきた国連、欧州連合(EU)、ロシア、米国の4者グループも「イスラエルの決定を非難する」という声明を発表しています。
 アッパス・パレスチナ自治政府議長は、和平交渉を開始することを撤回するとしました。米国は仲介役のミッチェル中東和平担当特使を派遣しますが、どういう落とし所があるのでしょう。イスラエルの現連立政権では、右派のユダヤ教超正統派宗教政党が仕切っており、ネタニヤフ首相の指導力は弱まっているようです。アッパス議長は「イスラエルによる違法な入植地建設を全面凍結する」ことが、交渉に入る条件と挙げています。
 こういったことは、日本のメデイア、特にテレビは報じませんが、非常に大きな問題です。これを米国は、うまく仕切れるのか。仕切れなければ、今後の米国の世界における指導力には、大きな疑問符がつきます。ミッチェル特使が、どういう腕を振うのか。わたしの推測は、イスラエルが入植地計画を撤回しないと世界が黙っていないでしょう。米国は、新型戦闘機の供給などで、イスラエルの頭を撫でるのではないでしょうか。
 しかし、いつの時代も、平和を乱すのは、宗教のように思います。今回もイスラエルのユダヤ教超正統派宗教政党が、入植地計画を発表し、パレスチナはじめ周辺の国から顰蹙をかっています。

0 件のコメント: