2010年2月24日水曜日

障害者団体向け割引郵便制度の悪用事件

 障害者団体向け割引郵便制度の悪用をめぐる障害者団体証明書偽造事件があったことは覚えておられるでしょうか。虚偽有印公文書作成・同行使罪で厚生労働省の元局長、村木厚子被告(54)の公判が大阪地裁(横田信之裁判長)で開かれています。
 これは、民主党参院議員の元秘書で、実体のない障害者団体「凛の会」会長をしている倉沢邦夫被告(74)=公判中=が、石井一議員の口添えで、厚労省元部長に証明書発行を依頼し、元部長が村木被告に便宜を指示し、村木被告が議員案件ということで、了承し、上村被告(48)に早急に証明書を作るように指示したというものです。
村木被告は罪状認否で、「私は無罪です。部下に指示した事実は一切ありません。一切犯行にかかわっていません」と述べ、起訴内容を全面否認しました。
 最大の争点は、村木被告が部下だった元係長、上村勉被告(40)=起訴=に証明書偽造を指示したか否かというものです。弁護側は、捜査段階で村木被告の指示を認めていた上村被告が現在、単独犯行を主張しており、証人尋問などで双方が激しい争いを行っております。
 弁護側は、「証明書の不正発行をしてまでも国会議員の機嫌をとらなければならない事情はない」と強調。村木被告と倉沢被告の手帳に2人の面会記録がないことや、証明書の作成時間が検察側の主張と整合しないとして、「検察の作り上げたストーリーは支離滅裂で破綻している」と述べています。
 起訴状によると、村木被告は障害保健福祉部企画課長だった平成16年6月、倉沢被告や上村被告と共謀し、障害者団体としての実体のない「凛の会」が割引郵便制度の適用を受けるために必要な証明書を上村被告に偽造させたとされます。
報道されたときには、新聞やテレビを見る限り、村木被告は、完全にクロのイメージでした。ところが、16日の公判でも元部下の上村被告が、検察側の証人であるにもかかわらず、「村木被告は冤罪ではないかと思う」と述べています。その根拠として、「村木被告の指示を受けた事実がない。まず、係長が課長の指示を直接受けることはありえない」と証言しました。
 ここで、気になるのが、検察官は、「調書にはあるが」と聞いたことに対し、上村元係長は、「わたしの言葉がすべて調書になっているわけではない。わたしの口から言った覚えはない。事実も、そんなことはない」と答えていることです。菅家さんの事件でもそうでしたが、検察は自分のストーリーに添って、質問を誘導し、調書を作成するようです。こういうことは初めての人がほとんどですから、検察のいいなりになるのでしょう。
 結果がどうなるか分かりませんが、これは冤罪のような気がします。そうなると、女性で局長まで駈け上がって来た村木さんの一生はぼろぼろです。どう回復してくれるのでしょう。先の小沢幹事長の問題でも国民は秘書が起訴されただけで、小沢さんは辞めねばならないなどと大手メデイアは国民を誘導しますが、これは非常に危険です。その人の人権を考えると、罪が確定してから、結論をいうべきです。逮捕して、取り調べ中であるにもかかわらず、ぽろぽろ検察から情報が流れ出て来るのは、どうでしょう。公務員法違反ではないのでしょうか。また、取り調べの可視化法案は是非成立させてほしいものです。

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