2010年2月15日月曜日

小堀隆恒・枚方元副市長の独白

 小堀氏は、平成19年5月31日に枚方市の清掃工場をめぐる談合事件で逮捕されました。当時の新聞を見て、わたしも悪いことをするなと思ったものです。しかし、本当は無罪だったのです。メデイアも逮捕された時には、100%有罪として、大々的に報道します。ところが、無罪になりますと、ほとんど報道されません。
 2月10日の日刊ゲンダイによりますと、小堀氏は平成19年5月31日午後10時ころに逮捕状が執行されました。驚いて「私が何をしたのか」と聞いても、検察は「談合の共犯や」というだけで、訳も分からず、一睡もできずに大阪拘置所で夜を明かしたそうです。
 当時、小堀氏は、腎臓がんで右腎を摘出し、さらに前立腺肥大で手術を控えていました。それを検事に伝えたそうですが無視されました。7、8時間のぶっ通しの取り調べがあり、排尿障害になり、医務室で処置を受けました。これが、乱暴で、カテーテルを強引に尿管に入れたために内部が傷つき、血尿が出るようになりました。検事に訴えると与えられたのは、介護用の紙オムツ1枚でした。家族が代用品を差し入れましたが、手元には届かず、保釈されるまでの約1カ月間は血だらけの紙オムツ1枚を繰り返し、乾かして使いました。
 不衛生だから、尿管などから雑菌が体に入り、しばらくすると高熱が出ましたが、取り調べ中もコップ1杯の水も与えられませんでした。便所で手を洗う際に口を湿らせてしのぎました。「生きて出られるか」、強い恐怖を感じましたが、取り調べは容赦なく続きました。
 取り調べもパイプイスを壁に蹴りつけたり、大声で「ごみ野郎、くず野郎」と怒鳴られたり、「金はどこに隠したか、白状しろ」と尋問されたり、はては、小堀氏が否認を続けていると、「カミさんを調べて逮捕する」とか、90歳の母親を「ストレッチャーで連れて来て調べる」など脅されました。小堀氏は、これが法治国家なのかと心底思ったそうです。
 小堀氏は、マスコミのいい加減さにも触れています。保釈後に緊急入院した病院の中で新聞各紙を読むと、一切否認なのに逮捕2日目に「容疑認める」、「1000万円もらった」などと報じられていたそうです。小堀氏は、検察からのリーク情報を垂れ流すマスコミの姿勢に呆れたと語っています。
結局は、無罪になったのですが、検察からもマスコミからの謝罪はなかったそうです。非人道的な取り調べを受けた体験者としてこんなことを二度と起こしてはならない。取り調べの可視化は絶対に必要と訴えています。
 先の足利事件の菅家さんの件もあり、冤罪を起こさせないためには、取り調べの可視化は、必要です。また、アメリカのように弁護士の立ち会いも必要でしょう。
 今回の小沢事件で、石川代議士、小沢幹事長に自浄作用で議員辞職しろと無責任なマスコミもコメンテータ、これに踊らされた一般人も言ったりしていますが、有罪になったわけではありません。もしこういうことが起これば、検察に目をつけられれば終わりだという検察ファッショが起こります。法治国家は、裁判制度があるのです。そして、日本は、法治国家なのです。テレビも新聞も恣意的に動くのではなく、良識に従って動いてほしいものです。

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