2010年1月25日月曜日

中国の女子大生村長

 1月6日の産経新聞によると、中国陝西省の山あいにある寒村の楡林市清澗県高傑村で19歳の女子大生の白一彫さんが村長になっています。「若さと知識で村を豊かにする」を選挙公約に掲げて、昨年1月当選しました。一部の村民によるリコール署名活動にも負けず活動を続けています。
 この村は、飛行場から山道を約7時間の山奥で村の戸籍人口は1000人余りで、1人当たりの平均年収は1000元(約1万3千円)で、まわりの村と比べても格段に貧しい村です。
 村長に立候補するきっかけは、2008年の村民委員会主任(村長)選挙で、男性候補3人の支持者が対立して混乱し、年末までに4回投票が行われましたが、誰も過半数に達しませんでした。そして昨年1月14日に出直し選挙が行われ、安康大学文学部2年生だった白さんが立候補したところ、清新なイメージが村民に受けて9割以上の得票で圧勝しました。村民の白小革さんは「元気の良さと大学で学んだ知識、都会的なセンスが村を変えてくれるのではないかとワクワクした」と語っています。
 テレビなどの取材に応じると「目立ちがり屋」と非難され、歳出削減のために村の幹部の交際費を削減した際には猛反発を受けてリコールの署名運動までに発展しました。
 白さんはいま、最大の公約である「酒造工場」の投資誘致を目指して商談を繰り返しています。
 村長を務めて一番つらかったのは、「酒を飲むこと」と答えています。この地方は宴会でお酒を一気飲みする習慣があり、倒れたこともあるそうです。この習慣は、この村に限らず、まだ中国の一派的な習慣です。 
 中国の農村が抱える最大の問題は何かという質問に、「若い人がみんな都会に出稼ぎにいってしまい、都市部と農村部の格差が広がっており、農村に残って頑張っても、夢や希望は見えない」と答えています。
 なにやら、日本にも似ています。しかし、日本の若者には、村の村長になろうという意気込みもなく、村民には若者を受け入れる度量もないように思います。

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