2009年12月30日水曜日

まず一歩先

 これは、津本陽氏の直観力~カリスマの条件~にあるものです。ここで、かれは松下幸之助氏を例に上げていました。幸之助氏も最初から現在のパナソニックを作り上げようなどとは、夢にも考えていませんでした。社運をかけて自転車用の砲弾型電池ランプを開発するという目先の目標に打ち込みました。これも結果的には、大ヒットしましたが、当初は売れませんでした。よい商品なのに売れないのは、消費者が知らないからだろうと、全財産を宣伝にかけました。従来品は3時間しか持たなかったものが、彼の製品は50時間もったそうです。消費者に確かめてもらおうと、当時のお金で1万5、6千円もかけて、大量の見本品を作りました。当時の大卒の初任給が50~60円だったそうです。それでも注文が来ず、万事休すで、工員に戻ろうかと思ったときに売れ始めたそうです。こういった経験を積んだ幸之助氏は、「一歩先だけ見たらいいんやないか、三歩も四歩も先を見ようとすると失敗しまんな」と語っています。
 わたしも京セラの頃、稲盛和夫氏に「今日食えなくて、明日が食えるか」とよく言われました。今日、ちゃんと食えるようになって、明日のことを考えろということです。京セラの場合は、長期の開発目標はなかったように思います。成功した経営者、創業者というのは、地道な経営をするものです。この辺が、大企業のサラリーマン社長との差のように思います。わたしは、京セラに13年間、在職しましたが、高収益の秘密は、かなり勉強したつもりです。いずれ書きたいと思います。

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