2009年9月12日土曜日

65歳無職男の悲哀

 9月9日、静岡県の富士宮署に65歳の無職の男性が、重過失失火で現行犯逮捕されました。理由は。誤ってローソクを倒して計5棟を焼く大火事を起こしたためです。
聞くと少し可哀想です。貧乏暮らしで、料金が払えないために電気、水道が止められていたというのです。1、2年前からローソクで明かりをとっていましたが、その日も焼酎を飲み、トイレに行って、戻る際に知らずにローソクを倒して失火していたようです。本人も手や顔にやけどを負いました。また隣接の民家や旅館などにも延焼して計5棟を焼きました。
 この男性は、10年前から大工仕事をやめて、貯金で食いつなぎ、昨年頃からは月6万5千円の生活保護を受けていました。家は、自分の家です。水は、近くの神社に汲みに行っていました。不思議なのは、電気は止められても水道は生死に関わるので、止められないと聞いていたのですが、いつから止めてもいいことになったのでしょう。もしくは、富士宮市だけでしょうか。一度、調べてみたいと思います。
 なぜ興味を持ったかと言いますと、わたしも65歳なのです。わたしは100歳まで仕事をするつもりでいます。最近の日本の高齢者をみますと、65歳が高齢者といえるかどうか分かりませんが、配偶者を亡くして一人になりますと、悲惨な日々を送っておられる人が多いように思えます。また、夫婦で残っていても楽ではないようです。近所の人たちにも優しさが消え、利己の心のみがはたらいているように思います。マンガの「三丁目の夕日」の時代を懐かしく思います。新聞では、触れていませんでしたが、奥さん、こどもはいなかったのでしょうか。持ち家といえ、たいした資産価値がなく、売ってもいくらにもならなかったのでしょうか。今回の件を見ていますと、日本は社会主義の国だといいますが、はたしてそうでしょうか。自分がこの立場に立つとどうなるのでしょう。ゾッとします。昔は、各町内にお金を持った篤志家がいたように思います。そして、そういう人が面倒を見、相談に乗り、アドバイスをしてあげていました。今は、そういう情というものが、なくなったように思います。日本の経済成長は、何だったのかとあらためて思った出来事でした。テレビ局もゴミ男やゴミ女に時間を割くくらいなら、こういう社会的な問題を報道してほしいものです。

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