2009年5月1日金曜日

世界の株価に大きな差

 4月9日のデータですが、アジアと欧米では、株価の戻りに大きな差が生じたようです。おしなべて、アジアは水準が戻り、欧米は悪化しています。世界の20市場の昨年末と4月9日を比較すると次のとおりです。
 上海+30.7%、台湾+23.4%、ロシア+20.4%、ブラジル+17.7%、韓国+17.1%、インド+12.0%、アルゼンチン+7.7%、シンガポール+3.8%、香港+3.6%、日本+0.6%までが、プラスです。マイナスは、カナダ-0.2%、オーストラリア-1.1%、南アフリカ-5.9%、スペイン-8.6%、フランス-9.2%、ドイツ-8.4%、スイス-9.7%、米国-10.7%、英国-11.55、イタリア-13.0%です。
 株価が回復基調に転じたのは、3月中旬以降で米国経済指標の一部が下げ止まったうえ、金融安定化や景気刺激策の各国の政策協調が評価されたためといえます。3月9日に26兆ドル強まで落ち込んだ世界の株式評価額が、8日には32兆ドルまで回復しました。回復が鮮明なのは、中国です。わたしが、昨年から一番最初に経済危機から抜け出すのは、中国だろうと言って来ましたが、そのとおりになって来ました。テレビなどで有名な評論家は、わたしの論とは、違うことを言っていましたが、最近は急に変わって来ました。所詮、この人たちは、机に座って、パソコンを叩き、経済誌を見ての判断ですから、自分の意見ではありません。アナリストの分析結果をいかにも自分も同じ意見と雷同しているだけです。わたしの場合は、中国でビジネスをやっている人たち、経済を動かしている人たち、実際の消費者の動きを見ていますので、よく分かります。これに経済データを加味すれば、正確な予想が出来ます。もっともテレビに出ている評論家にわたしのように動いて情報をとれ、肌で感じろと言っても所詮できないことです。
 中国政府は、昨年11月に4兆元(57兆円)の経済対策を発表しました。中国政府は、農村が車を買い、家電を買い、携帯を買うように補助策を出しています。液晶テレビも売れ行きが戻りつつあります。さらにインフラがらみになりますが、いよいよ携帯の3Gが始まります。三大通信キャリアが一斉にやるのです。この経済効果たるや、凄まじいものになります。しかし、日本の通信機器メーカー、コンテンツブロバイダー、半導体商社、電子部品メーカーも指をくわえて見ているだけです。理由は、代金の回収が難しいために日系にしか売りません。その日系が中国から撤退していますので、売れるはずがありません。ノキアはどうしていますか、サムソンはどうしていますか。そのようなことは、言いません。
 日本企業の多くは、みな、沈みゆく船に乗っているのです。以前は、護送船団方式とか言っていましたが、いまは、そんな上等のものではありません。タイタニック号に乗船した乗客、乗員みたいなものです。あのように氷山にぶつかっていませんので、すぐには沈みません。しかし、船底には、穴が空いているのです。このままでは、必ず沈みます。国が、経済対策を打ちましたが、粘土で穴を詰めたようなものです。一時的に海水の浸入は減っても、時間が経てば、海水が侵入して来ます。
 うまくやっているのが、台湾です。通信二流国と思っていましたら、日本は抜かれつつあります。コスト的には、もう随分前から勝ててないでしょう。品質は、日本の方がいいといいますが、量を作らないと品質は上がりませんし、安定しません。
 日本の政治家、経営者は、自分の今のことを考えず、次世代のことを考えて、対処して欲しいものです。沈みゆくタイタニックから下ろすボートには若い人を乗せ、自分らは沈みゆくタイタニックに残るという心境になってほしいものです。豪華な車での送り迎え、移動は、身体をますます肥満にさせ、健康にもよくありませんし、脳に栄養も血液も酸素も回らなくなります。意識を変えましょう。

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