2009年2月3日火曜日

「かんぽの宿」売却問題

 鳩山邦夫総務相が「かんぽの宿」70施設のオリックスへの一括譲渡に「待った」をかけました。鳩山総務相がオリックスへの売却を知ったのは、昨年の12月26日の朝でした。新聞報道の後に日本郵政は前日までに総務省に連絡していましたが、大臣に伝わっていませんでした。1月9日の日経新聞の「底流」というコラム欄には、単純な連絡ミスとありますが、わたしには臭います。新聞発表すれば、これを公然の事実として、覆さないだろうと見たのではないでしょうか。しかし、大臣の直感でこれはおかしいと感じたのでしょう。久しぶりのヒットです。日経は、コラム欄、社説とも日本郵政およびオリックスに味方した論調です。
 競争入札には、27社が参加し、入札は、2度行われたとしています。そして、最終的にオリックスが109億円(1月9日は108億円と書いていました)で落札したというものです。この落札価格も不思議なことに公表されていませんでした。これらは、国民の資産です。さらにおかしいのは、日本郵政が出したかんぽの総資産は141億円(1月31日には123億円としています)とし、負債を引いた純資産が93億円としたことです。これに対するオリックスの提示価格は109億円であるので、低いとはいえないというのです。これが、日経の論調です。そして、最近、土地取得代と建設費で2400億円がつぎ込まれたことが分かって来ました。
 日本郵政は入札した27社を公表していません。70施設の個別評価も出していません。そして、最近出てきたのが、首都圏社宅9施設です。これは、入札のときには、詳細が知らされていませんでした。それなのに、どう評価して入札したのでしょう。武蔵境の社宅は敷地が3746㎡もあります。ラフレ埼玉も資産価値が非常に高いといわれています。日本郵政がこの譲渡計画のアドバイザーとして選定したのが、メリルリンチ日本証券でした。これも少し首を傾げます。
 そして、最近わかったのが民営化前の日本郵政公社時代に「かんぽの宿」2施設がなんと1万円で売られていたことです。信じられますか。そのうちの1件の鳥取県岩見町の施設は、東京の不動産業者が、半年後、6000万円で同町の社会福祉法人に転売していたことが31日分かりました。平成18~19年には15施設を13億で売却しましたが、これらも土地代、建設費で総額311億円でした。
 この件も徹底的に調査する必要があります。この調査は、一会社に委託するのではなく、こういったことに詳しい複数の法人、個人でプロジェクトチームを作って徹底的にやるべきでしょう。腹の立つことばかりです。鳩山総務相は軽率なことが多い人物ですので、尻切れトンボに終わらないことを祈ります。

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