2008年10月10日金曜日

フェンシング

 先のブログで書きましたように、太田雄貴選手が北京五輪で銀メダルをとって、ブームが起こると書きましたら、案の定、ブームを巻き起こしているようです。これは、誰でも予測できることでしたが。これまでも『ベルサイユのばら』や『怪傑ゾロ』などのアニメや映画でブームになったことはあったそうですが、今回の反応は、かなり凄いようです。(財)日本フェンシング協会によると、国内の競技人口は、わずかに1万人です。この太田銀メダルブームで、にわかに増えているそうです。団体競技の苦手なこどもや、父親がメタボ対策で親子で通っている人も出てきたようです。最初の難関は、1セット10万円する初期投資といわれています。
 このフェンシングは互いに向き合った2人の選手により、細長い演台あるいはピストの上で行われます。ピストの幅は、1.5mから2m、長さ14mです。両選手はピスト中央に4mの距離をおいて構え(アンガルド)の姿勢から試合を開始します。2人の出場選手がピストに入ると、主審が剣と服装を検査します。検査に異常が見られた場合にはイエローカードが提示されます。検査通過終了後に、ラッサンブレ、サリュー(気をつけ、礼)の合図で試合開始の挨拶をします。アンガルド(構え)の合図でマスクを着用し、スタートラインに前足爪先をつけて構えます。
 主審からエトプレまたはプレ(準備はいいか)で、始まりの確認がされる。それに対し向かい合うプレイヤー両者は、ウィ(よし)または、ノン(まだ)と自分の状況を合図します。すべて、フランス語です。両者からウィと返答されることで、主審によるアレ(初め)の合図で、試合が開始されます。勝敗がつくと、ラッサンブレ、サリュー(気をつけ、礼)の合図で試合終了の挨拶をし、対戦相手と握手を交わします。その後、ピストから退出します。
 フェンシングには、フルーレ、エペ、サーブルの3種の武器があり、これらがそのまま種目名となっています。 この「フルーレ」、「エペ」、「サーブル」の3種目では、それぞれ武器やルールが異なります。フルーレはこの3種目の中でもっとも軽い剣をつかうために操作しやすく初心者は、このフルーレから始めるのが一般的です。エペは重い剣を使います。ルールはいたって簡単で、相手の体のどこかを先に突いたほうが勝ちとなります。サーブルは、突きだけでなく切りによってもポイントを得ることができる種目です。剣の応酬が荒々しく、観戦者を楽しませてくれる種目です。
 フルーレのルールは、先に攻撃するか相手の攻撃を防御して攻撃するという攻撃権というルールがあります。競技は、相手の剣を避けて突くという華麗な剣のさばきが見物です。有効面は、胴のみです。今回、太田選手が銀メダルをとったのは、このフルーレです。
 エペのルールは、攻撃権のルールはなく、1秒でもはやく相手を突けば勝ちになる競技です。競技は、相手に先に攻撃されても自分の剣先を相手の腕にとっさに突くなど、まさに中世の決闘を彷佛とさせる競技です。有効面は全身です。
サーブルのルールは、先に攻撃するか相手の攻撃を防御して攻撃するという攻撃権というルールがあります。競技は、切りの動作があるので、その豪快な剣の応酬が魅力の競技です。有効面は、胴、頭、腕です。足は、入りません。
 直接、ルールには、関係ありませんが、柔道着は、白だけだったものが、世界に普及するとブルーの柔道着を着るようになりました。ところが、フェンシングは、白のみです。ヨーロッパというのは、わがままな人種です。これからスポーツをやる人は、スポーツそのものに上達することは、もちろんのことですが、語学も堪能になり、自らの主張を通せるようになってほしいものです。

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