2008年10月8日水曜日

米金融安定化法案成立

 10月3日、米国下院で金融安定化法案が可決されました。前回の9月29日の否決では、米国株式市場は、最大の下げ幅を記録しました。3日の米国市場は法案が可決されたにもかかわらず、終値では結局、前日比157.47ドル安の1万325.38ドルと約3年ぶりの安値水準となりました。再採決に際しては、ブッシュ大統領はもちろんのこと、マケイン、オバマの大統領候補も法案の重要性を国民に訴えました。そして、前回、反対票を投じた議員らの説得工作を行いました。米下院で可決しなかったらどうなっていたでしょう。またも米国発の世界恐慌になったかもしれません。危機を先送りすればするほど不良資産の処理費用は増大し、実体経済に大きな影響を与えたことは疑いの余地はありません。
 一般国民の間では「ウオール街の強欲さを血税で救済するのか」という批判が強く広がっていました。国民の批判に配慮して、減税や預金保護の上限を現在の10万ドルから25万ドルに引き上げる措置を追加しました。米国発の金融危機で相場が乱高下し、家計・資産形成に影響を及ぼしています。米リーマン・ブラザーズなどの株式を組み込んでいた年金なども運用悪化が危惧されています。年金資金を運用する機関投資家も頭を抱えています。
ただエコノミストは、安定化法の効果には懐疑的な見方が多く、相場を押し上げるには、この法のみでは力不足と断じています。日本も米国も景気の悪化は加速度を増しています。
不良資産買い取り後に資本不足を補ってやる必要もあり。さらに多くの公的資金の注入は避けられません。欧州各国は、すばやい動きをしています。公的資金を投入し、経営が悪化した金融機関の国有化に相次いで踏み切っています。
 10日にはワシントンで先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開かれます。各国は、アメリカにどう迫るのでしょう。日本の財務相にもがんばってほしいものです。いつも資金の拠出を協力してのみで、なにも言わない政府では国民も納得しません。

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