2008年7月14日月曜日

堀江謙一さん、波任せ船で7000キロ

 堀江謙一さんが6日、波の力だけで進む波浪推進船で、ハワイから兵庫県西宮市のヨットハーバーに帰って来ました。今回は、ヨットではありません。波の力を推進力に変えたものです。波が弱いとスピードが落ちるということですが、平均スピードは、2.65km/Hとなります。堀江さんは、海洋冒険家と称されますが、この人の勇気には、驚かされます。
 1962年、マーメイド号で西宮-サンフランシスコ間の太平洋単独航海に成功しました。石原裕次郎氏が主演し、「太平洋ひとりぼっち」という映画にもなりました。当時はヨットによる出国は認められませんでしたので、密出国でした。日本では、当初この点について非難が殺到し、犯罪者扱いすらされましたが、堀江さんの偉業が認知されるにつれて、いわれなくなりました。当時のサンフランシスコ市長は、「コロンブスもパスポートは持っていなかった」と、名誉市民としました。
 1974年には270日余りで単独・無寄港の世界一周を成功させました。これについても、石原慎太郎氏が、雑誌上で成功する可能性があり得ないものとして非難し、論争を呼びました。そのほか、東西両方向周りで世界一周航海をしたのは日本人初、世界でもオーストラリア人に次ぎ2人目という記録です。堀江謙一さんは、航海は年齢が「三桁になるまでやるつもり」と語っています。スキーの三浦さんといい、すごい人たちです。多くの航海の経歴がありますが、1996年には、アルミ缶リサイクルのソーラーパワーボートで、エクアドル~東京間を単独無寄港太平洋横断しました。エクアドル政府はこれを讃え、1997年にガラパゴス諸島にある島と岬に「堀江謙一船長岬」、「モルツマーメイド島」と命名しています。
 この人の冒険は、なかなか真似のできることではありませんし、真似をすると大変なことになりますが、この勇気と気概は、今の多くの日本人になくなったものではないでしょうか。国民栄誉賞を贈ろうという声がなぜ起こらないのでしょう。この勇気は、素晴らしいものです。

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